世界中で数億人規模のプレイヤーに親しまれているマインドスポーツのポーカーは、マカオやラスベガスといったカジノだけでなく、スマートフォンやPCなど、様々な形態で楽しまれています。
ポーカーと聞くと、テキサスホールデムやオマハなどを想像する人も多いかもしれませんが、最初から現在のようなルールや規模だったわけではありません。19世紀初頭に登場したポーカーは、様々な歴史を経て大きく進化を遂げて現在に至ります。
今回は、そんなポーカーの起源からアメリカでの大きな発展、そして現代のオンラインポーカーに至るまで、史実に基づいたポーカーの歴史をご紹介しましょう。
ポーカーの起源と誕生(19世紀初頭)
ポーカーの起源には諸説存在しますが、直接的なルーツは17〜18世紀のヨーロッパに存在していた複数の歴史的なカードゲームが組み合わさり、19世紀初頭に誕生したと考えられています。
ポーカーの祖先だと言われているゲームは以下の3つです。
- Poque(ポーク):現在の”ポーカー”という名称の由来となったとされ、17~18世紀頃にフランスで大流行したブラフ(ハッタリ)要素を含んだカードゲーム
- Pochen(ポッヘン):15世紀以降のドイツで遊ばれていたゲームで、フランスの「Poque」のベースになったとされる
- As-Nas(アス・ナス):ペルシャ(現在のイラン)の伝統的なカードゲームで、5人程度で遊び手役やベット(賭け)の概念があった
ミシシッピ川の蒸気船文化とニューオーリンズ
1800年代初頭、当時フランス領だったルイジアナ州ニューオーリンズに定着したフランス系移民によってポーカーのルーツと言われた「Poque」が持ち込まれ、英語話者によって「Poker(ポーカー)」と屋バレるようになりました。
当時のポーカーは20枚のカード(A、K、Q、J、10)を使用し、4人のプレイヤーに5枚ずつ配って手役の強さを競う非常にシンプルなゲームだったと言います。
ミシシッピ川を行き交う蒸気船の乗客や船乗りの間で独自にアレンジが加わりながら娯楽として急速に広まり、近代ポーカーの歴史が始まったのです。
アメリカ開拓期とルールの進化(19世紀半ば~20世紀初頭)
1830年代から1860年代にかけ、ポーカーはルール面で大きな進化を遂げます。
これまで20枚のデッキを使用していたものが、現在と同じ52枚の標準デッキ(トランプ)へ変更し、より多くのプレイヤーが同時にプレイできるようになりました。その後、手札を交換できる「ドロー(Draw)」や、フラッシュ・ストレートなどといった役も正式に採用され、今我々が楽しんでいるポーカーの大枠が完成した時代です。
南北戦争期を通じて、軍隊の兵士が全国から集まったことによってポーカーのルールが標準化され、戦争が終わり彼らが地元にルールを持ち帰ったことによって、ポーカーは全米規模の娯楽として定着することとなりました。
テキサスホールデム誕生とWSOP創設(20世紀中盤~後半)
20世紀半ばまでのポーカーは「5カード・ドロー」や「7カード・スタッド」が主流でしたが、この時代に新たな種目が登場してポーカー界の構造を大きく塗り替えることとなります。そのゲームが「テキサスホールデム(Texas Hold’em)」です。
テキサスホールデムの登場
テキサスホールデムがいつ、誰によって考案されたのか正確な記録は残っていませんが、公式で20世紀初頭にテキサス州ロブスタウンで考案されたとされています。
皆さんご存じのように、テキサスホールデムの最大の特徴は全員が共通して使用することのできる「コミュニティカード」がある点です。これにより、5カード・スタッドなどの従来の種目に比べ、戦略性や情報共有の駆け引きが飛躍的に高まりました。
そして1967年に、テキサス州出身のプロギャンブラーたちによってラスベガスのカジノに持ち込まれ、徐々に常設のゲームとして定着していきます。
WSOPの開始
1970年、ラスベガスのカジノ「ベニオンズ・ホースシュー」のオーナーであるベニー・ベニオン氏が、全米のトッププロを集めたWSOP(World Series of Poker)を初開催。翌年の1971年からはフリーズアウト・トーナメント形式のテキサスホールデムがメインイベントとして採用されました。
このトーナメント方式の確立により、ポーカーは「ギャンブル」から「競技」へと認知が変化していくのです。
オンラインポーカーの始まりと「マネーメーカー効果」(1990年代末~2000年代)
世界初のリアルマネーオンラインポーカーサイトが開設されたのは1998年でした。通信速度やサーバーの安定性などに課題はあったものの、自宅にいながら世界中のプレイヤーと対戦できる環境が誕生した歴史的瞬間です。
その後、2000年代初頭にかけて「PartyPoker」や「PokerStars」などの大型プラットフォームが参入し、オンラインポーカー市場は急成長を遂げます。
マネーメーカー効果と世界的ブーム
ポーカーの歴史を語る上で欠かせないのが、2003年のWSOPです。アマチュアプレイヤーであったクリス・マネーメーカー氏が、オンラインポーカーサイトで開催されていたサテライト(予選)に参加して勝ち上がり、WSOP本選でもプロたちを薙ぎ倒して見事優勝を果たして世界中のポーカーファンに衝撃を与えます。
この事実から、オンラインで腕を磨けばアマチュアでも世界チャンピオンになれることが照明され、のちに「マネーメーカー効果」と呼ばれる世界規模での巨大なポーカーブームを巻き起こしました。
まとめ
ポーカーの起源には諸説存在しますが、直接的なルーツは17〜18世紀のヨーロッパに存在していた複数の歴史的なカードゲームにあり、19世紀初頭に誕生したとされています。
1830年代から1860年代にかけてポーカーはルール面で大きな進化を遂げ、現在のようなルールが標準化され、20世紀初頭には現在の主流であるテキサスホールデムが考案されました。
当時はカジノなどで遊ばれていたポーカーでしたが、1998年に世界初となるオンラインポーカーサイトが開設され、自宅にいながら世界中のプレイヤーと対戦が行える環境ができ、ポーカー市場は急速な発展を果たしています。
現在ではAIや分析ツールの普及など、ポーカーを取り巻く環境はさらに進化を続けており、ポーカー人気はこれからも拡大するものと考えてよいでしょう。



